脈々と受け継がれる豊浦魂 76期 藤本 久仁夫

今年も豊浦高校同窓会総会のポスターが出来上がり、例年どおり私が勤める飲食店の入り口に掲示させてもらっている。お店に来られるお客さんの中にはそのポスターを見られ、『豊高の同窓生は団結力が強くて羨ましい。』と度々云われることがある。毎年同窓会には参加している私であるが数年前、妻に同窓会の様子を動画で見せたことがあった。その同窓会の最後に豊浦高校校歌をスクラム組んで歌う様子を見て、妻からの一言。『何か新興宗教団体の集会みたい。』それを聞いた私は少しムッとした!しかし女性の部外者には解らん!解らん!と気を静めた。

私も今年古希迎え今一度、豊浦高校同窓会とは何ぞや?と問うてみた。

当時の3年間を過ごした友人や部活の仲間との再会の場であることは間違いあるまい。恩師の諸先生方、諸先輩方、そして後輩たち、彼らとの束の間の語らいも楽しいものだ。この歳になると、患った病気自慢に花を咲かせることも珍しくない。そして懇親会の最後に全員で歌う豊高校歌。スクラムを組んで歌う姿を見ると、全員が恍惚とした表情を浮かべている。そう思うのは私だけであろうか。私自身も身体の底から立ち昇る熱い血潮を感じながら歌い続ける。

また一つ疑問点が浮かび上がる。しかし校歌を歌うと何故こんなに体中が熱くなるのだろうか?

豊高校歌の素晴らしい歌詞に寄るところは間違いなかろう。しかしそれだけではないのではなかろうか。高校に入学して1、2カ月が経った時期に、1年生は校内にあるプールを見下ろすヒビ割れたコンクリート製ベンチに直立不動で、豊高校歌を先輩応援団の指導の下、練習を重ねる。『まだ声が小さい!もう一度やり直し‼』と繰り返し繰り返し練習した。けがれのない思春期に熱い豊浦魂を身体中に深く注入される一幕である。

同窓会において陶酔した姿の校歌斉唱は、このような伝統行事によるものではないかと考えられる。

前述のとおり現在私は飲食店で雇われ店長をさせていただいている。お店に来られるお客様で豊高の同窓会ポスターを見られ、『大将は豊高出身ですか?』と問われることがある。嬉しそうに相手から『私も豊高です』と返事が戻ってくる。それを契機に常連さんになることも少なくない。同窓とは有り難いものである。また同級生の中には遠く関東や他県から来店してくれる同級生も多数おられ、私も彼らと会うことを一番の楽しみにしている。

お店の壁一面に同級生の力作である写真や絵画そして書を多数飾っている。それらの作品を観るたびに私には彼らからの応援エールが聞こえてくる。『俺もまだまだ頑張るから、お前も頑張れよ!』と。

よし、今年の同窓会もみんなと大声で校歌とエールを歌おう!

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